フォトグラファー杉山宣嗣のブログ
カテゴリー:1998年04月
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本格的な撮影について学ぶには?PART2
ここではプロになるための方法ではなく、良い?写真を撮るための日常のお勉強?(独学)の勧め。
写真は感性とそれを表現するための技術が必要です。
まず、感性の磨き方ですが、いろんな事に興味を持つことが大事ですが、良く言われることでは映画や絵画など、写真以外のアートなども興味を持って見に行きましょう。また、小説などの文学も写真のストーリー性を考えると必要です。ファッションだけでなく現代の動向もわかっていないとタイムリーな写真を撮ることはできないのでそういったことも心がけた方がいいですね。一芸に秀でた人はどんなことでも平均以上にできるものです。
こう書いてしまうととても大変なことに思われますが、とにかく良いと思う写真集などを立ち見でもいいですから いっぱい見ることです。知らず知らずのうちに感覚が良くなってきて、そのうちに自分が撮る写真にも反映してきます。
技術的なことは大変難しいこともかなりありますが、最近では実践的な本や雑誌が出ていますのでそれらを読んで勉強するのも良いでしょう。僕のお勧めは玄光社のコマーシャル・フォトの別冊のシリーズ。かなり実践的な事が書かれています。実は杉山はこの本で写真を勉強しました。僕が勉強していた頃とは比べ物にならないほど現在ではシリーズも豊富です。
いろんな事を書いてきましたが、やはりなんと言っても写真をたくさん撮ることが大切です。それもただ撮るだけでなく「こういった写真」という目的意識をはっきり決めて撮ることです。最初は誰かのマネでもいいんです。撮っていくうちにだんだん素晴らしい写真が撮れるようになると思います。
本格的な撮影について学ぶには?
Yさんからこんな質問をいただきました。
「私は写真について素人なのですが、本格的な撮影について学ぶには何から始めればよいのでしょうか?」
プロになるためを前提に話をしますが、いくつかのパターンがあると思います。
1)もともとなんらかの才能があり、すでにある種の自分の写真というものを持っている人の場合、写真やアートのコンペティション(コンクール)に応募する。それらでいくつか賞を取れば(入賞クラス以上)必然的に業界の人間の目にとまり、そのままデビューという形もあります。独学で勉強してとにかく良い写真をたくさん撮る。
2)写真学校に行って写真の基本を習う。学校に行けば全てが解るようになる訳ではないですが、基本的な事は教えてもらえます。しかし、これはあくまでも学校なので実践的なことを教えてくれる学校はあまりないかもしれません。僕が思うには最近は、デジタルの発達により、写真とアートの境界線がなくなってきたので、これから始める人はデジタルの知識も必要なってくると思います。
3)スタジオに入ってスタジオマンとして働きながら写真を勉強する。これは、より撮影の実践が勉強できます。スタジオというのはプロのカメラマンはほとんどレンタル・スタジオを利用して撮影をしていますので、そこで働きながら写真を覚えていくということです。有名カメラマンがよく利用するスタジオとかファッション系、物撮り系のスタジオとか、そのレンタル・スタジオによって違いがありますのでそのスタジオの傾向を良く調べる必要があると思います。また、カメラマンの仕事はスタジオ撮影だけでなく、ロケ撮影もありますので、ロケ撮影の手伝い(ロケ・アシスタントといいます)に行くシステムがあるスタジオだとなお良いと思います。
4)プロカメラマンのアシスタントになる。だいたいは写真学校を出てからとか、スタジオマンを経てからプロカメラマンのアシスタントになることが多いですが、まったく経験のない人でも使ってくれるカメラマンもいるようです。これは撮影の実践からカメラマンの仕事の流れまでをすべて勉強できます。ただ、カメラマンによって仕事の内容がかなり違いますので、自分のこれからやりたい写真に近いカメラマンを見つける事をお勧めします。しかし、人気カメラマンはアシスタント希望者が多いですから、やはり経験者の方が有利でしょう。
写真の場合プロになるには、このパターンというものは実はありません。良い写真(この良い写真の定義が難しいのですが、その時代に求められている写真ということにでもなるのかな?)を撮ることができればいつからでもプロになれます。しかし、それには才能もありますが、やはりいつも目的意識を持ち、いろんなこと勉強し、絶対にプロになるという努力と根性?が必要だと思います。才能というものは同じ人間である以上それ程の差はないと思います。やはりそれを成し遂げる為にどれだけ頑張れるかで大きく違ってくるのです。天才と言われる人も影では並々ならぬ努力をしているものです。
最近、若くして華々しくデビューしている人たちも多くなってきましたが、みんな写真キチガイですね。彼らも四六時中写真のことを考えて生きています。
ちなみに僕の場合は、学校(日大、芸術学部写真学科)在学中に賞をいくつかとって、20才くらいからプロとして仕事をしてきましたので、ほとんど独学です。
写真関係の雑誌では玄光社とういところから出ている月刊誌でコマーシャル・フォトという雑誌がありますが、そこに写真やその関係の情報(求人等も)が出ています。
使い捨てカメラについて
使い捨てカメラについては、以前「あるある大事典」というテレビ番組でもいろんな事をお伝えした事がありますが、技術的にはなんとかモードと言うものは何もついてはいませんので、いろんなテクニックを使うことはほとんどできません。カメラがいろんな条件を判断して撮影してくれる訳ではなく、どんな場合も同じ条件で撮影してしまうので、すごく明るい場所とか、暗い場所とか、通常の条件(基本的には晴れくもりの屋外での撮影が一番良い条件)以外のところでの撮影は得意ではありません。
撮るものがおもしろいかどうかによって善し悪しが決まる、とってもストレートなカメラといえます。
<使用上の注意点>
・ピントが合う範囲がどんな条件でも同じなので、カメラに書いてある何センチ以上離れて下さいという注意書きに従って下さい。その範囲でしかピントが合いません。クローズアップも撮れる製品もあるようですが、ほとんどの製品が被写体(撮る物)から1メートルは離れることをお勧めします。
・暗いところでは、キレイな写真は撮れません。明るい屋外以外では、フラッシュを使うことをお勧めします。フラッシュも注意書きに書いてある範囲でないと光が届かなかったり、明る過ぎたりしますのでその範囲内で撮影するようにしましょう。
・最大の弱点は夜景は写りません。良く、夜景のきれいなところで使い捨てカメラで撮影している人がいますが、フラッシュを使っても、その光が届く範囲のものは写りますが、その背景の夜景は真っ暗ということになります。まして、フラッシュを使って夜景だけを撮ろうとしている人を見かけますが、フラッシュ使用の有無にかかわらず、真っ暗な何も写ってない写真になりますので、夜景は諦めて下さい。
ファッション撮影の現場から
ファッション写真で重要なのは美しいモデルとともに、すばらしいスタッフにも恵まれないと良い写真を撮ることはできません。決められた洋服をいかにアクセサリーなどとの組み合わせとともに着こなしを美しく見せるかがスタイリストの重要なポイントです。またヘアメイクはその洋服に合わせヘア・スタイル、メイクアップをします。
プロのモデルさんなので、だいたいの写真のイメージを説明すれば理解して自分でポーズをとりますが、中には新人のモデルや容姿はすばらしく良いのにポーズができなかったりするモデルもいるので、そのような場合はカメラマンがいちいちポーズを指導しなければなりません。
モデルもファッションや写真を良く勉強していないと、洋服にあったポーズをとることができません。ストリート系カジュアルには、それなりポーズがあり、スーツには、スーツのポーズがあるからです。それに、流行のポーズというのもあります。
僕の統計によると、活発な明るい性格で頭の良いモデルがすばらしいですね。
美しいだけでなく内面も磨かなければいけないと思います。
カメラマンはそれらすべてを熟知していて、最終的におかしいところがあれば、スタッフに指示をできるように最新の流行も知っていなければならないということになります。僕なども、コギャル系ファッション誌からアダルトなファション誌まで、国内外のものを定期的に目を通すようにしています。もちろん、機会があればコレクションやショップに行ったりして実際に見たりもしています。
写真の技術的なことはライティングや構図、レンズの選択などかなり細かいことが重要になりますが、なんといっても、その洋服のイメージにあった写真を撮るということが最重要でしょう。