写真の撮り方を考える
   実は、いろんな準備をするときには、どんな写真にするかは、もう決めちゃってるんだよね。モデルや小道具をどこでどう使うか、写真のテクニックはどんなものにしようか、などなど。“ハイウェイ”という言葉から来るイメージを考えると、ばっちりと青い空が欲しいので、順光(モデルに対して太陽の光が前面から当たり、カメラマンの背中に太陽がある状態)で写真を撮りたい。それに今流行の写真にするには、ストロボを使って撮るといいのだ。写真はざらついたものではなく、粒子が細かいリアルなものが欲しいので、カメラはできれば35mmでなく、中型のカメラ(6X7)にしよう。そうなると、ストロボも必然的に大型のものになるし、電源がない場所だから、発電器を使うことになった。  構成や技術面なども、事前にどうするかということを、かなり突き詰めて考えておくといいね。特に梅雨のシーズンだと、雨になった場合も想定しておく必要がある。雨が降ると大型のストロボは使えなくなるので、カメラを35mmに換えて、小型のストロボで撮れるようにと、そんな用意もしなきゃならないのが、プロのつらいところ。
 
 
 

撮影本番!
 
 で、普段の行いがいいので? 晴れました! 朝7時にアシスタントが来て、7時半にロケバス(ロケの為のマイクロ・バス)が迎えに来て機材を積んで、編集部に向かう。  編集部ではヘア・メイクさん既に来ていて、6時半からモデルにメイクを開始。今回のテーマに沿ったスタイルを、事前にヘア・メイクさんは考えてきているのだ。  8時には衣装などを積み込んで編集部を出発、目的地に向かうのだった。  ところで、実はこの車での移動時間がすごく大切。初対面のモデルの場合は、この時間でコミュニケーションをしなくちゃいけない。まずはとにかく仲良しになること。そして、どう撮るのかなども詳しく説明することになる。今回の場合は何度も撮影をしたお気に入りのモデル達なので、10分程バカ話をしてから、僕はさっさと睡眠モードに。
 9時半に現地でアメ車を貸してくれる方と合流して、まずは海沿いの道路に車をセッティング。スタッフはテキパキと各自の仕事をし、10時には最初のカットを撮り始めたのだった。

 事前にどう撮るかを考えていたとはいえ、その日のロケの状態や、モデルの衣装、ヘア・スタイルなどによってイメージはどんどん変わっちゃうんだよねえ。ポーズや表情は、やっぱり現場の雰囲気で良い方向になるように、どんどん変えてしまうのだ。  もちろん、僕の撮影は「明るく、楽しく」がモットーなので、冗談まじりの楽しい会話をしながら撮ってる。  もう一つ大切なことは、一つひとつのカットの説明をきちんとモデルに伝えること。洋服や小道具によって、モデルのポーズもかなり違ってくる。ある程度は僕が指示を出し、その中でモデル自身も、よりすばらしくなるよう考えてポーズを取ってくれるんだ。

 モデルっていう仕事は、結構頭を使う。カメラマンがどういうポーズや表情を期待しているのかを間違いなく理解し、自分のセンスでポーズや表情を作らくちゃならないからね。ただ、ボーっと立っているだけでは、ぜんぜん務まらないのだよ。  今回のようなRockなものをテーマにしている時は、あばずれ女風のポーズをつくるとか、エレガントなドレスを着ている時は、淑女のポーズなど、それぞれのファッションとシュチュエーションによって、モデルがしなければならないポーズはそれなりに決まってくる。

 一流のモデルは、撮影の趣旨を説明すれば、勝手にすばらしい動きをしてくれるんだ。カメラマンは黙って、シャッターを押すだけー、なんてこともあるくらいだから。    途中、ロケ場所を変えながら、無事に最後のカットを撮り終えたのが午後2時をまわったくらい。ランチをとる時間がなくて、撮影の合間にロケバスの中に用意してあった軽食をつまみながらの撮影だったので、実は僕は何も食べられなかった。ロケではこんなことが日常茶飯事なんだよね。  撮影が終わった後は、海辺お約束の「焼き蛤」さんでランチをとって、帰路についたのだった
 
 
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