ゲッチュ!ガールズ・フォトテク
 
 
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写真好き=男の子、なあんていう時代はもう終わった。
今は写真好きの女の子のほうが、カメラ小僧よりも多いのだ。みんなキレイに写真も撮りたいし、もちろんキレイに撮られたい! そんなあなたに贈る、ファッションカメラマン杉山宣嗣氏のナイスアドバイス・コーナーです。
 

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第3回 スパイ大作戦?
文/杉山宣嗣
 

GIRL’S MISSION IMPOSSIBLE

 この秋のファッションの流行はやはり、ニュートラ!以前から「スパイもので、ニュートラでやりたいね」と、Happie副編集長の山田女史と話していたので、さっそく「スパイ大作戦=MISSION IMPOSSIBLE」ならぬ「ニュートラ大作戦 ’00」というタイトルで撮影をすることに決定しちゃったよ。トム・クルーズ主演の映画「MISSION IMPOSSIBLE 2」も劇場公開中と言うことで時期的にもピッタシでしょ。
 ロケーションは、スパイに似合うヘリコプターを使っての撮影になった。
 今回は35mm一眼レフカメラを使って、動きのあるドラマ仕立ての撮影になったけど、実はほとんどオートで、カメラまかせの撮影。マニュアルでの操作はしていないから、誰にでも撮れる写真だよ。

ビジュアル・アイデアの重要性

 このシリーズの撮影は、いつも撮影の2週間前にはスタッフであるカメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、編集が必ず打ち合わせをしているんだ。撮影のコンセプトを説明し、それぞれスペシャリストとしての意見を出し合うようにしてる。ヘアメイクの人にだって、写真のビジュアル・アイデアを出してもらっているよ。最後のカットでの殺されてしまうシーンは、実はヘアメイクさんのアイデア。銃で撃たれて頭から血を流しているところは、ヘアメイクさんの力作なのだ。
 それぞれのスペシャリストの分野で優れているのはあたりまえで、それにプラス、ビジュアルのアイデアまで、考えることができるスタッフとしか仕事はしないようにしてる。ビジュアルアイデアが構築できない人には、その撮影に合った、本当の仕事ができないと思うね。杉山は自分には甘いが、人には厳しい?(笑)
 このように、いつも撮影前には、モデルのポーズや小道具などかなり細かいところまで、絵コンテができているのだ。スタッフとの打ち合わせでは、10数カットものアイデアが出て来たけど、もったいないことに実際に撮影するのはたった4カットだけ。でも写真的に格好良く見えるアイデアを優先して選んでいるからね。
 
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撮影本番、実際のシチュエーション

  まずは、ヘリから颯爽(さっそう)と降り立つ女スパイ。手にはスパイお約束のアタッシュ・ケース。このカットは、ヘリから颯爽と歩いてくるシーンなので、モデルの女の子には本当に早足で歩いてもらった。足下が平坦でない場所、例えば砂浜なんかだと、杉山の方もモデルの歩く速さに合わせて、かなり無理な体勢で後ずさりしながら撮影しなくてはいけないんだけれど、今回はコンクリートの平坦な場所であるため、僕は台車の上に乗り、アシスタントくんが引いてくれてる。これならどんなアングルでも、簡単にモデルと同じ早さで移動することができるのだ。


 次のカットは、ヘリからスパイをつけ狙うヒットマン。手には007などのスパイ映画によく出てくる、超小型カメラの「ミノックス」(本当は現在だったらデジカメなんだろうけど、今回は往年のスパイ映画仕立てだからね)。迫力を出すためローアングルから狙ってみた。


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 こちらは、柱の陰からスパイを狙撃しようと銃を構えているカット。この写真はスパイとヒットマンの距離が1メートルほどしか離れていないので、実際にはあり得ない状態なんだけれど、レンズを28mmの広角側で使っているので、二人の距離感は離れて見える。これは二人にどうしてもピントを合わせたいので、こういうポジションにしたもの。「柱の陰からヒットマンの手足が出ているよ」と言う指摘は受け付けないよ(笑)
 ヒットマンの銃の持ち方や、スパイの歩き方なども、細かく指導しているのだ。

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 最後のカットは、スパイが銃で撃たれて頭から血を流し倒れているカット。僕も、写真の中で人を殺してしまったのは初めての経験だ。ファッション写真なので顔のアップは撮っていないけれど、銃弾が当たったこめかみのところはかなりリアル。ヘアメイクさんが前日に作っておいた、特殊メイクの銃弾の跡や血のりを使っているからね。
 スパイ役のモデルの子に、目線などの細かい表情の出し方などをポラロイドを見せながら、指導。脚立にのって、ハイアングルからの撮影。




  今回は「スパイ大作戦」ならぬ「ニュートラ大作戦」ということで、ドラマ仕立ての演出をしているけれど、ストーリーがあるようでない、実に変な撮影だった。ファッション写真なので、カットカットでモデルさんが洋服を着替えているなど、実際にはおかしいことだらけ。でもそれはそれ、フィクションの世界なので、つじつまが合わないのは笑っていいよ(笑)
 

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